『サバニトリップ 2012』 西表島 

sabanicamp20122012年 夏
 毎年恒例、夏のお楽しみ「サバニ旅」がやってきた。 この夏も、座間味レース終了後の勢いで出発だ。
レース前の数か月、トレーニングに、心身&サバニのメンテナンスにと、全力をそそぐのだけど、 そのパワーは、レースはもちろん、その先にあるサバニ旅へとつながってる。ケラマブルーの海を目いっぱい楽しむレースへの参加は、夏のクライマックスのようでもあり、旅へのジャンプ台のようでもある。「夏だー!」「サバニだー!」と海へ飛び込むようなこの感覚がたまらない。そんな夏が今年もはじまった。今年の舞台は「西表島」 -Iriomote-Jima-  沖縄県で沖縄本島の次に大きな八重山諸島にある島。秘境と呼ばれる自然豊かな島。おととしのサバニ旅で与那国から西表島へ到着し、その後石垣島へと向かった。あの時「いつかまたサバニでイリオモテを巡りたいな」と夢みていた。その夢がこの夏実現しちゃった。西表島周遊のプチ旅。予定は10日間程。 イリオモテをベースに楽しむつもりなので、メンバーの交代も楽チン。第1、第2、第3と、3グループにウマくスケジュール調整ができた。 あとは、天気ゴキゲンでいてね!と願うばかり。 第1班のクルーは9名。旅やレースの仲間に、サバニキャンプに参加経験のあるメンバーに、 東京OLカワユイ色白女子たち。 みんな太陽に負けないくらいハジケたスマイルと、どことなくゆったりした雰囲気をもった、ゆかいな仲間たち。 付き合ってくれるサバニは、空海号。 西表島・星立でマリンサービスを提供する「アイランドサービス空海」さんのサバニ。 空海の山下さん(よっしー)とは、おととしのサバニ旅でイリオモテ入りの時出逢った。 星立青年会のメンバーとサバニを通じて交流したのが縁。 その後、よっしーの元にも新たな帆かけサバニが生まれた。 新城さんが手がけた、海想号の兄弟舟だ。 空海号に9名乗ると満員御礼。 「各自の荷物は極力少なめに」とクルーへは予め伝えておいたので、 みんなミニマリストを心がけてくれてアリガトウ。 そこに共同装備がプラスされて、 水や鍋食器に食料、3泊4日×9名分っていったら結構な量。 荷物満載、満員御礼の空海号。 今年も難民船に間違われちゃいそうなプチ旅へ出発。
2012年7月5日~7月8日 3泊4日
出発前に、行き先をチェック。風かませですけどね。
いよいよ出発。
エークを合わせて行きたいだけ漕いじゃいます。
でもほらね。 帆に風を受けると、すぐ漕がなくなっちゃいます。
エークをパタリと置いて、帆走りを満喫。コレコレ。これが気持ちいい。
海から川へとのぼってゆく。マングローブの林をぬって静かにすすむ。
干潮です。
ハイ!こんな時もある。サバニを降りてひいた。 そして、沢をのぼって、デッカイ滝を目指した。
たどり着いたのは、ナーラの滝。 滝遊びに夢中のみんなの笑顔は少年そのもの。
滝を見上げながら甲羅干しの昼寝。 あぁー、たまらない。
 今夜はここにしよう! 居心地よさそな浜を見つけて野営。ハンモックテント派100%。みんな思い思いの場所を見つけて、テント張りを楽しんでる。森キャプテンはハンモックテント初級者にレクチャー。おとなりさんのテントをのぞいては「お宅もいいですねー」なんて。 どんな場所でも快適に過ごせるハンモックテント。やっぱイイ。浜でのゆんたく。夕飯の支度をしながら夕日をながめ、ゆっくりと時間が流れてく。
外で食べるごはんは、もうそれだけでウマイ。メニューは、出来るだけ地の食材を使って。パパイヤたっぷりパスタ。パパイヤもバジルも島で頂いてきた。というより、もぎらせてもらった。焼き立てパンは、陸の孤島・船浮のパン屋さんでゲット。米粉もっちりで、みんなではまった。西表産のハチミツも濃厚な味わいだったな。
 夕暮れには、浜辺の「Bar Iriomote」がオープン。クルーに泡盛ソムリエもいたりして。ちょうど七夕の頃。 毎夜、月と、降るほどの星を仰ぎながら、チビリチビリと島酒をいただいた。
 豊かな自然に身をゆだね、9人の仲間と共に西表島サバニプチ旅。 そういえば、「このメンバーでサバニチーム作ろう!」って話も出て、サバニの上で盛り上がってたな。サバニでつながるご縁と、ゴキゲンな天気に感謝。また集合しようね。
2012年7月8日
  第1班のみんなを見送って、明日からの準備。 共同装備品を洗濯したり、買い出ししたり。 おかげさまのピーカン、グングンはかどるのでありがたい。 夕方になると島の友が気を利かせて車でやってきて、買い出しに連れてってくれた。とっても助かる心づかいに感謝。

7月9日~12日までの第2班・3泊4日のプチ旅は5名のクルーでスタート。今回は、海想スタッフ&サバニチーム海想のメンバーたち。 7月1日に座間味~那覇まで36キロばかしガツ漕ぎしてきた面々。
普段の練習でもレースでも、1日中とにかくひたすら漕ぎに徹してるクルーたち。こんなときじゃないとクルーズを楽しめなーいのだ。と、ニコニコ笑顔で帆走をご満悦。

さて、第2班の3本柱はコレ。
◎ビックリするくらい豊かなシュノーケル三昧
◎やったー!鹿野川湾だ
◎サガリ花満開のウダラ

ほかにも、島の友合流キャンプに、生き物たちとの出会いに、海幸山幸のごちそう。
あいかわらずウレシイ天候続きで、もうなにもかもが楽しいのです。
デッカイ浮きに救命フカン(浮輪)。浜で見つけた漂流物は絶好のおもちゃ。@鹿野川湾
島友の家族もやってきた。さっそく大物をゲットして見事にさばく男たち。
今夜は大ごちそうの浜うたげ。浜の主らしき大きなヤシガニも現れた。
 今年のサバニ旅は島周遊のキャンプ気分のプチ旅なので、毎年の航海のように朝日より前に出航し、時に12時間爆漕ぎというハードさはなく、のんびりな時間を味わった。
朝、ハンモックテントからのんびり起き出し、薪で米を炊き朝食をとる。コーヒーで一服しながら、「今日は何して遊ぼか。どこ行こうか。」と相談がはじまる。森キャプテンはキャンプサイトを決めるとき、いつも風や太陽の向きを考えてくれるから、 朝早くからギンギンの太陽で暑くって目が覚めたり、風の音がうるさくて寝苦しかった... なんてことがほとんどない。 いつも心地いい浜で過ごすことができる。
 シュノーケルへ出かけることにした。潜りドコロを物色しながら帆走していると、キャプテン森:「ここよさそうだよ。細川さんちょっと潜ってみて。」ドボンと飛び込む細川探索員:「スッゴーイ!」 国内外各地の海を潜ってきた森&細川コンビが選んでくれたポイント。その海は、珊瑚がびっしりと育ち、魚たちが群れを成して飛び回っているようで、透明度良すぎで、まるで空中を飛んでいる気分だったな。
 近くに停泊していた小型漁船のおじぃに、「ちょっと隣りで潜ってもいいですか」とキャプテンがあいさつすると、 「いいサバニだねぇ。懐かしいさぁ。ゆっくり潜るといいよ。」言ってくれて、「シャコ貝食べるか?」と聞いてくれるので、「ハイ!食べます!!」と即答して、5人には充分なデッカイ貝を頂いた。
やった。これで今夜もゴチソウだ。
さて、ここでクイズです。
↓の2枚の写真の中に、魚がいるのわかりますか?
Q.(上の写真)何匹いるでしょう?
Q.なんて魚でしょう?
クイズの答え: 2匹の「ワニゴチ」
わかりましたか。
ウダラ浜。
網取湾は深い入り江になっていて、その突き当りがウダラ浜。しばらく前まで、ターザンと呼ばれるおじぃが住んでたらしい。
ここに来る間際、石垣島のサバニ大工の新城さんの所に立ち寄ると、これから西表島に行くと聞いた新城さんが、「イリオモテのターザン」という本を見せてくれた。ウダラ浜見取図という手書きのイラストにワクワクさせられ、行ってみたいなー。と願っていた場所。 著者の水田耕平さんは、新城さんの工房に時々遊びに来るそうで、新城さんが手がけたサバニの持ち主でもある。
あれ? そういえば、ずっと前に海想のお店に来てくれた人、「ふなうきにサバニ持ってて、名前ミズタさんっていってたな」
あれ??
そういえば、ふなうきの小さな資料館に小さな帆かけサバニが展示されてる。つながった。ふなうきにあるサバニは、新城さんがずっと前に造ったもので、その持ち主が、この本の著者で、店でサバニゆんたくした方だった。
すっきりした。
イラストに目が留まったまま、本を読まずに来てしまったので帰ってからの楽しみもできた。
ウダラ浜へは、向かい風の中、角度を付けながら帆漕して向かった。
深い入り江らしい雰囲気たっぷりの静かな浜にたどり着いた。
大きなヤラブ(テリハボク)の木々や、浜の左右を流れる2本の川。 マングローブの林。生き物たちの気配。
ターザンが住んでいたのであろう辺りに、今でもキャンパーが使っている形跡があった。
もうちょっとキレイにしたらいいのにな。と、ここだけがちょっと残念。
それでも、海にそそぐ小さな川は水量も十分で、トントンミーやエビたちが元気に走り回っている。 水浴びをし、汗と潮を落とした。
沢をはらりはらりと流れるサガリ花が、甘い香りを漂わせていて、見上げると大きなサガリ花の木がデーンとあった。 翌朝、顏を洗いに行くと、満開のサガリ花がたわわに咲いていた。 歯磨きしながらサガリ花の花見。
なんて贅沢なんだろう。と心安らいだ。
浜に1艇のシーカヤックがあがっていた。数日前、白浜の港でカヤックを組み立てていた男性だった。港で話をしていたので「またお会いできましたね」とごあいさつ。翌朝、いつものようにコーヒー片手に今日の予定をたてていると、新たな願いが叶うチャンスがやってきた。
鹿野川湾に行ける!
シーカヤックの男性、トオルさんは20年ほど前にも仲間とウダラから鹿川湾へ山越えしたことがあって、「今回は一人やしやめとこかなー。」と言うが早いか、「じゃあ、みんなで行きましょうー!」全員一致の即決。
「旅は道連れだねぇ。」と、山道を歩きながら誰かがつぶやいた。
鹿川湾に行ける!
ウダラには、もう一組マッチョな3人組がやってきていて、もう長いこと旅を続けているのだという。ウダラにも船浮から山越えしてきたそうで、夕暮れ時、山から突然3人の大男が現れたときは、ちょっとビックリした。
彼らにも鹿川湾情報をうかがうと、3時間くらいで行けるんじゃなかな。と教えてくれた。
クチャパック状態のマングローブ林を抜け、山道をのぼり、沢に下り進む。目的地が鹿川湾。それだけでワクワクしていた。
先頭を行くトオルさんが、持参のナタで道を切り開いてくれる。ここでもいつの間にか、トオルさんが森さんのことを「隊長」と呼んでいて笑えた。 確かに、トオルさんがちょっと道を迷うような時、 「そっちじゃないと思うな。ちょっと確かめてみよう。」とか言っては、それが当たるものだから、自然な流れだ。
沢には、いっぱいデッカイ手長エビ。
夢中で狙ってるけど、先を急ぐので今日は見るだけにしておこう。山では、セマルハコガメやアカショウビンの子供にも出会えた。
大きくなったら素敵な鳴き声を聴かせてね。
ゆく道でも、満開のサガリ花を仰いだ。
3時間ちょっとで鹿川湾に出た。
目の前には、ダイナミックな海が広がっていた。 ここにも前に住んでいた人がいたという。 20年前、トオルさんは洞窟に暮らす男性にコーヒーを淹れてもらい、ついでに何やら怪しい金細工のアクセサリーを買ってくれと言われたそうな。 おもしろい昔話が聞けた。
海に潜ると魚天国。  クールダウンしすぎるほど、豊かな海を潜り楽しんだ。
帰り道でも、よさそうな水辺をみつけては露天風呂のようにクールダウン。河口に近くなると水かさも増すタイミングで、もう歩くより泳いじゃった。 またひとつ、夢が叶った思い出の一日になった。
翌日、マッチョな3人組とトオルさんに見送られ、お互いこの先もよい旅を!と手をふってウダラ浜をあとにした。
第3班
間を空けず、翌早朝に出発した。
7月13日~15日まで2泊3日の最終便。
海想スタッフ(平和通り2号店のスゴウデ店長)のサッチーと交代で乗り込んだのは、バリバリのビジネスマンでサバニキャンプ常連の前さん。
2班から引き続き参加しているメンバーに、西表島も常連の新しいメンバーの5人。この旅のダイジェストコースになりそうだ。せっかくなので新たなイイトコを探すことにした。
だいすきな川のぼりもしながらね。
だいすきなシュノーケルもしながらね。
そして、クルーの誰もが気に入る浜に出会った。 名を知らぬ浜なので、何か呼び名をつけよう。クルーのるみちゃん(奄美サバニ旅で出会い今や女海想のメンバー)が、「やどかり浜は?」と言った。どこにでもありそうな名だけど、ここは本当に見たこともないくらいのヤドカリたちがいて、そのうち自然に、やどかり浜と呼んでいた。
心地よい木陰があり、風が通る。
目の前の景色もいうことない。
ここにも大きなヤラブの木があって、みんなでハンモックテントを張った。
その下で、暮れる陽をおがみ、水浴びで汗を流した。 時間もゆるりと流れた。
もうテントもいらず、浜に大の字になって眠った。 いつまでも満天の星と、輝く月のおでましを見上げていたいのだけど、 あまりに心地よいものだから、島酒も手伝ってウトウト。 そばから聞こえてくる仲間たちのゆんたくも、いつしか届かない夢の中へ。 また来よう。 やどかり浜へ。 こうして、西表島のプチ旅は「わーい!わーい!!」と毎日ワクワクしてる間に、 あっという間に、これ以上ないほどの好天に恵まれ過ぎた。 空海号を快く貸してくれた、よっしー。 島の友。 共に旅した仲間たち。 旅を支えてくれたすべてのみんなに感謝。 今年もよいサバニ旅でした。 ありがとう。 来年もお楽しみに。

Photo by :Sabani Crew ! Thanks !
Text by :An Sabani petit trip 2012 フォトギャラリー click !